「サーキットでも峠でも楽しい」「カートのようにダイレクトに動く」など 大の大人達が楽しそうにはしゃいでいた中、当時免許を持たない僕は 「運転してみたいなぁ」と指をくわえて聞いているだけ。僕がレーシングカートに乗っていた頃のスポンサー達は、みんなスーパーセブンに乗っていました。それから何度か一般道で乗るチャンスに恵まれ、ホロを 開けての爽快感は十分に味わいましたがまだ何か物足りない…。

今回“Tipoオーバーヒートミーティング2007”(7月15日実施）で初めてサーキット走行するチャンスにめぐり合いました。そして「運転がとに かく楽しい！」そう誰かに伝えたくなるこの衝動が、あの頃の大人達 をうかれさせていた感覚なのでしょう。 アイドリング状態からアクセルを軽く踏むだけで生まれてくるバイブレ ーションが身体を伝わり、コクピットに座っているだけでも頭の中は ワクワクしてきます。

サーキットに乗り込めば、レーシングカートの如くステアリングの切れ 角は小さく、アクセルレスポンスは非常に良い。ブレーキで向きを 変えてもしっかりとアウト側のフロントタイヤに荷重が残り路面を捉える。それに応えるようにリアが追従をみせ、ボディ剛性以上のパフォーマンスを発揮します。これはマシンバランスが良いから味わえること でしょう。

新しいフォード製シグマエンジンはストレスなく綺麗な吹け上がりを みせ、ボディの反応と必要に応じたパワーを供給してくれる。こちら のバランスも良い。

突出した性能は必ず他の部分で悪影響が出てきます。マシンはバランスが重要なのです。そして「バランスの良さ」を味わえるマシン がケータハムスーパーセブンなのです！

レーシングドライバー 滑川 健